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【施工管理技士】の建築材料選定のポイント!最新の建材と既存材料の問題点とは?

施行管理 材料

どんなに高い技術があっても、良い建築材料が揃わなければ、発注者の要求水準を満たす建築物をつくり上げることはできません。

施工管理技士には、建築材料の良不良を見極める技量が必要になります。また原価管理を任される施工管理技士には、実行予算の範囲内で最良の建築材料を揃えることも要求されます。

この記事では、建築材料選定のポイントや最新の建材、既存材料の問題点などを紹介しますので参考にしてください。

建築材料とは

工事における建築材料は、公共・民間を問わず、設計書や仕様書のなかに規定されていることが多いです。しかし実際にその材料を購入し建築物をつくるのは請負会社になります。

万が一、その材料が原因で施工不良が起きたとき、「設計書にあったから使用した」ではすまされないのが責任施工というものです。請負会社の代表として工事の中心となって働く施工管理技士にとって、建築材料についての知見は必須要件になります。

ここでは建築材料とは何かを、部位、機能、素材という材料の分類方法から紹介します。

部位

部位による分類とは、その建築材料はどの場所で使用するのかという分類方法です。たとえば、建築物の屋根に使用する建築材料は屋根材となります。

外装に用いる外装材と壁紙などの内装材は壁材です。床に関する建材は床材、ドアや窓の枠などは建具材ということになります。

建材の部位による分類としては、床材・壁材・屋根材・階段材・手すり材・庇・下地材(内装・外装用、改修調整材)・内装外装材(仕上げ材含む)などがあります。

機能

建築材料を機能性で分けると、、構造材、仕上材、補助材などになります。

構造材|柱や壁などの建築物の基本構造に用いる建材
仕上材|屋根や壁、床、天井など建築物の仕上げに用いる建材
補助材|上記に該当しないその他の建材

構造材は木材・コンクリート・鉄骨など、仕上材は杉板・杉無垢材・タイル・レンガ・漆喰などが該当します。補助材としては、主にモルタル・接着剤・塗料などが挙げられます。

素材

素材での分類とは、建築工事に使用する建築材料を材質で分けることです。

木材製品|針葉樹・広葉樹(材木)、製材(角材・板材)、各種合成材・人工木など
紙製品|植物繊維全般(ワラ、カヤ、樹皮など)
石材|大理石、人工代理石、ロートアイアン(錬鉄)など
粘土|瓦、レンガなど
高分子材料|プラスチック、合成繊維など

現在では科学技術の向上により、建築材料の素材は多様化していく傾向にあります。

建築材料選定のポイント

建築材料
建築材料

建築材料選定のポイントは、大きく4つに分けることができます。耐久性、安全性、美観、コストの4つです。

・耐久性

建築材料の耐久性は、部位や機能性、素材によって大きく違います。同じ材木でも樹種によって違いますし、同じ樹種でも、常に風雨にさらされる屋根と室内の梁では経年劣化のスピードが違ってきます。耐久性は、建築材料の特徴や性質、使用目的などから総合的に判断することが必要です。

・安全性

建築材料の安全性を担保するためには、製造会社や生産者の品質証明書が必要不可欠です。品質証明書は科学的な評価方法に基づいている必要があります。たとえば人や動植物が触れたり吸引したりしても安全であるという第三者機関での検査合格証を添付してあるというようなことです。

・美観

美観は、建築材料の使用目的や建築物が建てられる地域性、時代性などに影響されます。しかし、最終的な決定権を持つのは、発注者サイドです。発注者に無断で、美観が良くないからと設計書にある建材を変更することは、たとえ同等品であってもできません。もちろんさまざまな観点からのアドバイスはできます。

・コスト

最近、国際情勢などの影響を受けて、資材の原材料や加工費の高騰が続いています。コストを下げて一方的に品質を落とすことはできないため、発注者サイドとの調整が必要になるでしょう。また、工法や取引先の再検討、大量発注による単価ダウンなどの対策が急務です。

最新の建築材料の実例

ここでは、最新の建築材料の実例について紹介します。今後の建築材料の選定の参考にしてください。

・ハイドロセラ・フロア(建材・タイル)

陶磁器ならではの耐傷性や防汚性に優れ、ハイドロテクトの機能を併せ持つトイレ内装用大型陶板です。

・CABKOMAストランドロッド(耐震用ワイヤー)

炭素繊維を芯に使用し、外層を無機繊維でカバーリングしたものを熱可塑性樹脂に含侵させた炭素繊維複合材料の耐震用ワイヤーロープです。

・アクリアα(住宅用製品)

日本初のノン・ホルムアルデヒトの住宅用グラスウール断熱材です。ホルムアルデヒトは合材などから放散する化学物質でシックハウス症候群や発がん性が指摘されている有害物質です。

・オフセットサイディングサンドグリッド(外壁材)

窯業系サイディングでありながら外壁の木質化を可能にする画期的なサイディング材です。森林を守りながら、カーボンニュートラルを目指すことがコンセプトになっています。

既存建築材料の問題点

既存建築材料の問題点として第一に挙げられるのは、カーボンニュートラルや循環型社会などの世界的趨勢に対する順応が不充分であることです。

これを充分にするためには、二酸化炭素発生の原因である化石系燃料を原料とする製品の使用を抑制する必要があります。

この点で注目されているのが、以下の2つの建築材料です。

・CLT Cross Laminated Timber(クロス・ラミネイテッド・ティンバー)|直交修正板

・LVL Laminated Veneer Lumber(ラミネイティド・ベニヤ・ランバー)|単板積層材

木材を建築材料として適切に活用することは、石油系製品による化学物質の発生を抑え環境負荷を引き下げます。また軽量で施工がしやすい材料は、工期を短縮して基礎施工を簡素化し、コスト削減にもつなげることができます。

同時に木造需要を創出し、わが国の高齢化した森林資源を適正に管理することもできるという利点があります。

まとめ

ここまで施工管理技士に必要な建築材料の概要、建材選定のポイント、建材選定の参考にしていただくために最新の建材と既存建築材料の問題点などにも触れました。

建材に関する基本的な知識はもちろん重要ですが、時代性にマッチした最新情報に常に敏感であることも施工管理技士には必要であると考えます。

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