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【照明計画】の落とし穴とは?

照明計画の落とし穴

電気設備の施工管理を行っている中で意匠性・機能性の両方を求められる照明設備には苦労している人も多いのではないでしょうか。照明計画は電気設備設計者にとっても難しい内容だとは重々承知しています。JIS基準の平均照度はあるものの、実際にその明るさはどの程度でどんな風に見えるのか、施主の理解を求めるのに一苦労なんて人も多いのでは。私がこれまでに経験したり、聞いたりしてきた照明計画の失敗を書いていきます。

 

1.眩しすぎる!暗すぎる!

クレームその1・外構の照明が眩しすぎる!

道路際のパチンコ屋さんの照明が眩しすぎると感じたことはありませんか。明るければ通りがかりにぱっと目を引きますが、その照明は何時まで点灯させているでしょうか。近隣の方が寝る時間にも煌々と明かりがついていたら即クレームですね。これは誰でも容易に想像できると思います。田舎ならではの例としては、田畑の近くが要注意です。農作物の成長に外灯の光が影響してしまうので、境界側の照明は点灯させないでほしいなんてお願い(クレーム?)もありました。

 

クレームその2・意匠性を優先した結果、暗すぎる!

意匠設計のこだわりの間接照明やブラケットタイプの器具のみで空間を演出しようとしている部屋はありませんか。天井面に照明器具を設置させないことで、意匠的にはすっきりと洗練された雰囲気になると思います。特に玄関ホールなどは折り上げ天井を間接照明で演出、なんてことがよくあります。一見おしゃれで素敵に仕上がったと思いますが、いざ建物を使い始めたらこんなクレームがありました。『外から見たときに玄関ホールが暗いと営業しているかわからない』確かにその通りです。風除室や玄関ホールは建物の顔です。意匠性も大切ですが、建物を訪れる人を迎え入れる明るさがやっぱり必要不可欠なのだと思います。

照明計画の落とし穴

照明計画の落とし穴

2.せっかく付けたのに・・・

2-1 調光・調色使いこなせない

近年サーカディアンリズムを取り入れた照明計画こそが、人間が人間らしく生活する上でとても良いと言われ、病院や老人福祉施設などでは調光・調色を取り入れた照明計画が増えてきました。サーカディアンリズムを取り入れた照明計画とは「サーカディアンリズム」の原理を応用し、太陽光を浴びているかのように昼夜の照明を制御するものです。例えば、起床時にはゆっくりと調光しながら点灯し朝日を感じ、日中は昼光色や昼白色で活動を促し、入眠時には電球色をぼんやりとつけつつ消灯していくなどがあります。すべて自動化していれば良いですが、手動の場合はどうでしょう。色温度と照度をパターンとして登録しておくものや、全て手動で調整するものなど、グレードによって様々な調光・調色スイッチがありますが、結局設計者の思いで高いコストで導入しても、使いこなせていないのが現実です。

照明計画の落とし穴

照明計画の落とし穴

2-2 ではどうすれば

施工管理技士の腕の見せ所は、VE提案をしながら機能にメリハリをつけることではないでしょうか。本当に調光・調色が必要であれば、妥協せずにスケジュール機能を持った器具を提案し、バックヤード等ではグレードをダウンする。竣工後に長く建物を使っていく人たちを思ってのVE提案は自分の仕事の満足度にも繋がると思います。

 

いかがでしたでしょうか。長く電気設備工事の施工管理を行っていても、照明計画は感覚的な部分も多く苦労されている人が多いように思います。照明はどんな用途の建物にも必ずある、生活に密着した最たる設備です。諸先輩方の経験を吸収しつつ、新しい技術を学び、施工管理技士として多くの建物に携わる者としての知見を深めていきたいものですね。

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