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鉄道インフラを支える技術:【鉄道工事】と【地下鉄工事】を詳しく解説!

鉄道インフラを支える技術:【鉄道工事】と【地下鉄工事】を詳しく解説!

【鉄道工事】:電気設備工事と保線・土木工事

はじめに

鉄道工事は、鉄道を安全かつ快適に運行するために必要不可欠な技術です。施工管理技士は、鉄道工事における専門知識と経験を活かして、安全かつ効率的な施工を実現するために重要な役割を担います。

この記事では、鉄道工事における主要な分野である電気設備工事と保線・土木工事について詳細に解説します。

1. 電気設備工事

1.1 概要

電気設備工事は、鉄道を運行するために必要な電力設備、信号設備、通信設備などの電気設備を構築する工事を指します。電車や駅に電力を供給する架線(送電線)の設置や信号システム設備の新設工事です。

1.2 電気設備工事の種類

  • 電力設備工事:電車や駅に電力を供給するための変電設備、送電設備、配電設備などの工事
  • 信号設備工事:列車の運行を安全に制御するための信号機、ATS、ATCなどの工事
  • 通信設備工事:列車の運行管理や乗客への情報提供のための列車無線、駅構内の情報表示設備などの工事

1.3 施工手順

  1. 設計:電気設備の設計図を作成する。
  2. 資材調達:必要な資材を調達する。
  3. 施工:設計図に基づいて電気設備を施工する。
  4. 検査:電気設備の安全性を検査する。
  5. 試運転:電気設備の試運転を行う。

2. 保線・土木工事

2.1 概要

保線・土木工事は、鉄道施設を維持・管理するために必要な線路(レール、枕木)、トンネル、橋梁などの土木構造物の建設、修繕、保守を行う工事を指します。

2.2 保線・土木工事の種類

  • 軌道工事:線路の敷設、修繕、保守を行う工事
  • トンネル工事:トンネルの建設、修繕、保守を行う工事
  • 橋梁工事:橋梁の建設、修繕、保守を行う工事
  • その他:駅構内の施設、踏切などの建設、修繕、保守を行う工事

2.3 施工手順

  1. 調査:施工対象の状況を調査する。
  2. 設計:保線・土木構造物の設計図を作成する。
  3. 資材調達:必要な資材を調達する。
  4. 施工:設計図に基づいて保線・土木構造物を施工する。
  5. 検査:保線・土木構造物の安全性を検査する。

3. まとめ

鉄道工事は、電気設備工事と保線・土木工事の2つの主要な分野から構成されています。施工管理技士は、それぞれの分野の専門知識と経験を活かして、安全かつ効率的な施工を実現するために重要な役割を担います。

鉄道インフラを支える技術:【鉄道工事】と【地下鉄工事】を詳しく解説!
鉄道インフラを支える技術:【鉄道工事】と【地下鉄工事】を詳しく解説!

【地下鉄工事】:開削工法、シールド工法、NATM工法

はじめに

地下鉄工事は、都市部における交通網の整備や、ライフラインの安定供給に不可欠な技術です。施工管理技士は、地下鉄工事における専門知識と経験を活かして、安全かつ効率的な施工を実現するために重要な役割を担います。

この記事では、地下鉄工事における主要な工法である開削工法、シールド工法、NATM工法について詳細に解説します。

1. 開削工法

1.1 概要

開削工法は、地表を掘削してトンネルを構築する工法です。比較的浅い深度のトンネルに適用され、施工手順がシンプルで、コストを抑えられる点が特徴です。両側に沿って鉄杭を打ち込み、その上にH型の鉄杭をかけて鉄板を敷き、路面交通に支障がないようにして地上から掘り進む工法です。

1.2 長所と短所

長所

  • 施工手順がシンプル
  • コストを抑えられる
  • 地盤条件を選ばない

短所

  • 地表沈下や交通渋滞などの影響が発生する
  • 騒音や振動が大きい
  • 工期が長い

1.3 施工手順

  1. 道路掘削:道路を掘削し、坑口を設ける。
  2. 側壁支保:坑口の側壁を支えるために、鋼管支柱や土留壁を設置する。
  3. 掘削:坑内を掘削する。
  4. 覆工:トンネル内壁をコンクリートなどで覆い、トンネルを仕上げる。
  5. 道路復旧:掘削した道路を復旧する。

2. シールド工法

2.1 概要

シールド工法は、シールドマシンと呼ばれる巨大な機械を用いて、地盤を掘削しながらトンネルを構築する工法です。地表沈下や交通渋滞などの影響を抑えられる点が特徴です。まず駅の部分を地上から掘り下げ、駅の建設と同時にシールドマシンの発進基地を設置して掘り進めます。

2.2 長所と短所

長所

  • 地表沈下や交通渋滞などの影響が少ない
  • 工期が短い
  • 安全性の高い施工が可能

短所

  • 断面形状が円形に限られる
  • 地盤条件によっては適用できない
  • コストがかかる

2.3 施工手順

  1. シールドマシンの組み立て:シールドマシンをジャッキで押し出しながら、掘削と同時にトンネル壁を構築していく。
  2. 掘削:シールドマシンのカッターヘッドで土砂を掘削する。
  3. トンネル壁の構築:セグメントと呼ばれるコンクリート製のブロックを並べて、トンネル壁を構築する。
  4. 地盤改良:必要に応じて、トンネル周辺の地盤を改良する。

3. NATM(ナトム)工法

3.1 概要

NATM工法は、トンネル周囲の地盤の持つ強度を積極的に利用して支える工法です。山岳トンネルで多く用いられていますが、近年では地下鉄工事にも適用されています。トンネル周囲の地盤がトンネルを支えようとする保持力を利用し、掘削後早期にコンクリート吹付、鋼製支保工、ロックボルトの打設を施工する工法です。

3.2 長所と短所

長所

  • 地盤の強度を積極的に利用するため、経済的な施工が可能
  • 断面形状を自由に設計できる
  • 環境負荷が少ない

短所

  • 施工管理が難しい
  • 地盤条件によっては適用できない
  • 工期が長い

3.3 施工手順

  1. 掘削:掘削機を用いてトンネルを掘削する。
  2. 支保:掘削したトンネルを支えるために、ロックボルト、鋼管支柱、コンクリート吹付などを行う。
  3. 覆工:必要に応じて、トンネル内壁をコンクリートなどで覆う。

4. 地下鉄工事における各工法の適用範囲

工法適用範囲地盤条件長所短所
開削工法浅い深度のトンネル地盤条件を選ばない施工手順がシンプル地表沈下や交通渋滞などの影響が発生する
シールド工法地表沈下や交通渋滞の影響を抑えたい場所地盤条件によっては適用できない工期が短い断面形状が円形に限られる
NATM工法経済的な施工が求められる場所地盤条件によっては適用できない断面形状を自由に設計できる施工管理が難しい

5. まとめ

地下鉄工事は、地盤条件、施工条件、予算などを考慮して、最適な工法を選択することが重要です。施工管理技士は、それぞれの工法の特徴を理解し、安全かつ効率的な施工を実現するために責任を持って取り組む必要があります。

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