COLUMN
コラム鉄道は時代の変容とともに進化を続け、現在も私たちの生活を支える交通インフラです。
鉄道は私たちの生活に密着していながら、鉄道工事で働く人の姿を見る機会は少ないです。それは鉄道を利用する人が少ない夜間での工事が多かったり、人の密集地域を避けて関連施設が設置されていたりするからです。
この記事では、きついとされる鉄道工事で働いている方たちの仕事内容や必要とされる資格について紹介します。また仕事を続けるにあたっての適性についても説明していますので、ぜひ参考にしてください。
鉄道を時刻表や運行スケジュール通りに維持・運営するためには、ざっと思いつくだけでも、架線(送電線)、レールや枕木、駅舎やホームなどが必要です。電気、土木、建築など幅広い分野の技術が必要なことが分ります。
鉄道工事には大きく3つの分野があります。電気設備部門、保線・土木(建設)部門、建築部門の3つです。
それぞれを仕事の内容と必要とされる資格にフォーカスして紹介します。
電気設備部門は、電力を電車や駅に供給するための電気設備全般の工事を行っています。
鉄道工事では、送電線のことを架線と言います。架線は、電車の運行、信号システム、駅舎や踏切の照明などに欠かせない鉄道の生命線です。
電力会社から送られてきた電気を変圧し、架線を通して各施設に送る設備を新設したり、メンテナンスしたりするには電気関連の高度な技術が必要です。
電気設備部門で働くにあたって必要される資格には以下のようなものがあります。
1級・2級電気工事施工管理技士 | 電気工事の管理業務を担う |
第1種・第2種電気工事 | 電気工作物全般を扱うことができる |
電気主任技術者 | 電気設備の保安監督ができる |
保線・土木(建設)部門では、鉄道の線路(レール、枕木)、トンネル、橋などを新設したりメンテナンスしたりします。
線路は、しっかりとした路盤の上に枕木を置き、その上にレールを敷くという構成でつくられています。長期間に渡ってハードに使われるレールは、経年とともに劣化したりゆがんだりするため、定期的な点検・整備が欠かせません。
また、鉄道の安全で快適な運行を支える橋やトンネルもメンテナンスが必要です。
保線・土木(建設)部門は、以上のような土木建造物全般に係る仕事を担当します。
保線・土木(建設)部門で働くにあたって必要とされる資格は、1級・2級土木施工管理技士です。
土木施工管理技士は、さまざま工種の建設工事で管理業務を担当できる資格です。土木工事において、技術上の指導・監督を担う立場となります。
建築部門は、駅舎や事務所などの新築工事や修繕工事、耐震工事などに係る仕事を担当します。建物を建てるだけでなく、企画や設計をする部署もあります。
利用者の利便性や駅としての機能性を高めるためには、駅舎や事務所なども重要になります。メンテナンスはもちろん、建物のバリアフリー化や耐震性の向上なども必要です。
また、時代のニーズを反映した建物の企画や設計も継続しなければならない業務でしょう。建築部門では、以上のような建築物全般に係る仕事をしています。
建築部門で必要とされる資格は以下になります。
1級・2級建築施工管理技士 | 建築現場での施工管理をする |
1級・2級建築士 | さまざまな建築物の設計や監理を担う |
鉄道は、日々休むことなく続けられる人やモノの移動を支えているという特徴があります。夜間作業は当たり前で、作業は時間との勝負になりやすいのが現状です。
鉄道工事の仕事の特徴と、その現場で働く人に求められることが多い適性について紹介します。
電車が頻繁に運行している時間帯に工事を行えば利用者に多大の影響があるため、鉄道工事では夜間作業が多くなります。また次の始業時間までに予定の工程を完了させなければならないというのも日常茶飯事です。
また人の命や財産に関わるものを乗せて走る鉄道の仕事は、ちょっとした判断ミスも許されないという緊張感もあります。
夜間に、緊張の連続にも耐えられる体力が必要です。責任重大で体力が必要な分、給料は高いです。
作業が時間との勝負であることが多いため、就業時間や勤務スケジュールに連絡もなく遅れるというのは論外です。
また短時間で効率よく仕事をこなす必要があるため、作業手順やあらかじめ周知された注意事項を守らないというのもいけません。作業が遅れるのはもちろん、自分や周囲の人を危険にさらすリスクを生んでしまう可能性があります。
ルールと時間をきっちり守れる人が向いています。
効率的に仕事を進めるためには、チームワークがものを言います。作業中は些細なことも確認し合い、お互いの作業の進捗を共有する必要があります。
人の話しをよく聞き、自分の意見を分かりやすく伝えることは日常生活だけでなく、仕事でも非常に重要なことです。
コミュニケーション能力は鍛えることが可能なものです。能力を高めるための努力は必ず報われるときがくるはずです。
ここまで鉄道工事の仕事の内容と必要とされる仕事や適性について紹介しました。
鉄道工事はハードだというイメージを持たれたかと思います。
ただ鉄道工事はハードな分、給料や福利厚生は優遇され、研修制度も充実しています。そしてこの仕事はなくなるということがないので安定して稼ぐことが可能です。
体力があり、やりがいのある仕事を探しているという方は、ぜひ検討してみてください。
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