COLUMN
コラム北海道の、ある造園会社ではホームページ上で以下の4つの目標を宣言しています。
そして、この4つの目標直下に、それぞれどんな事業や活動を通して実現するかを複数記載しています。
造園会社という特長を生かし、無理なく持続可能で、自社の向上とともに社会や環境に貢献できる素晴らしい目標であると言えるでしょう。
実はこれは、この造園会社の「私たちのSDGs宣言」なのです。
SDGsの17のゴール(開発目標)のうち、①は11・13・15、②は7・12、③は4・17、④は5・8を関連させています。
この記事では、建設業界のなかでも特に施工管理技士は、SDGsにどのように取り組むべきかを紹介していますのでぜひ参考にしてください。
引用元|四宮造園
https://www.shinomiya-zoen.co.jp/sdgs.html
引用元
経済産業省ホームページ
https://www.meti.go.jp/policy/trade_policy/sdgs/index.html
上記の画像は、2015年9月に国連で採択されたSDGs (Sustainable Development Goals
持続可能な開発目標)の17の開発目標です。SDGsの開発目標は国際的には「ゴール」と呼ばれていますので、この記事ではゴールで統一します。
内容としては、「169のターゲット達成」や日本政府が取組みの柱としている「優先課題8分野」など、多少複雑な印象を受けますが特別難しいことを掲げているわけではありません。
施工管理技士の方に注目していただきたいのは、国連で採択されたものとはいえ、冒頭にあるように地方の企業が自社のホームページで宣言し活動を開始しているということです。
官庁や自治体、大企業だけが取り組んでいるものではないのです。地元に根を張り、日本経済を下支えしている中小の企業が実践しています。
SDGsの担当部署が自社の現状や将来を見据えて選択した、いくつかのゴールとターゲットを目指し、具体的な実践をするための計画を「アクションプラン」といいます。
施工管理技士は、このアクションプランと自分が担当する職務がどう関わるのか検討し実践しなければなりません。そして、どのような結果が得られたか或いは得られなかったかを目に見える形で担当部署に報告することが求められると考えられます。
自社でSDGsを宣言し、実践することで得られるメリットを以下にまとめました。
・社員に一体感が生まれる
・社会的な企業イメージが高まる
・取引先からの信頼感が高まる
・社会貢献への意欲が高まる
・職場環境の整備が進みやすくなる
・新規採用がしやすくなる
・省資源・省エネが実践される
・新製品・新サービスの開発につながる
・原価意識が高まりコスト削減が実現する
SDGsのメリットは、アクションプランの内容によっても変わりますが、実際に活動を継続する過程で生まれるものです。ただの宣言だけで終わらせては何も生みだせません。
SDGsの活動の流れは大まかに以下のようになりますが、あくまで参考として捉えてください。
引用元
新潟県ホームページ内|建設産業におけるSDGsの取組例
https://www.pref.niigata.lg.jp/uploaded/attachment/286422.pdf
上記画像は、新潟県ホームページ内の「建設産業におけるSDGsの取組例」を一部抜粋したものです。1~17までのゴールに対して、建設業での取組例が記載されていますので参考になると考え引用しました。
建設業の事業領域は多岐にわたりますが、17のゴールすべてが同等に重要であるというわけではありません。自社の経営と社会への貢献という両面から分析して優先順位を明確にすることが必要です。
「どのような基準で優先順位をつけるか」「実際に持続可能な活動とは」などは、すでに取り組みを始めている建設会社を分析するのが近道です。そのときは規模の近い企業を選ぶほうがより親和性の高い情報を得ることができるでしょう。
所属する会社にもよりますが、施工管理技士として現場を管理するあなたに、SDGs担当部署から参考意見を求められる機会があるかもしれません。そういうときに、現実からかけ離れた提案をしてしまうと、結果的に自分の立場を難しくしてしまうことがあります。
とにかく、現実的で持続可能であることを念頭において対処してください。
ここまで、SDGsと建設業の関わりについて、主に施工管理技士という立場の方に向けて紹介してきました。
国連総会で採択されたことが、わが国の地方の中小規模の会社においても実践されているというのは、まさにグローバリゼーションの賜物であるという気がしてなりません。
いずれにせよSDGsは、カーボンニュートラルや人権意識の高まりなど、後戻りしない時代の流れの一つであることは間違いありません。
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