2023年4月3日

【改修工事】をするメリットは？工事の種類と修繕工事との違いを詳しく紹介

建物は、経年劣化が避けられないため、定期的な修繕工事や改修工事が必要になります。

この改修という言葉と似たものに、修繕や改良、改善などがあります。それぞれの意味の違いを明確に説明するとなると、とまどってしまうこともあるでしょう。

この記事では、改修工事の内容や修繕工事との違い、改修工事の種類やメリットを紹介しますので参考にしてください。

改修工事はどんな工事？

改修工事は、経年劣化とともに生じる建物の不具合や故障を原状復旧するだけでなく、新たな付加価値をプラスするための工事です。

工事の過程では、修繕工事を伴う場合があり、時には建物の取り壊しを行う場合もあります。そしてその後に、建物の機能性や利便性を向上させるための工事を行います。

建物や敷地内にバリアフリー機能を追加したり、塗装の塗替えに新たな高機能塗料を採用したり、空調の不具合があれば最新の空調機器と入れ替えることもあるでしょう。また、それまでの建物の用途とは全く違う役割を果たすものにリノベーションすることもあるのが改修工事です。

修繕工事や改良工事との違いは？

修繕工事は、現在の建物を新築時と同様の性能や機能に回復させるための工事です。経年劣化で、あちこち不具合が生じた建物各部を修理・交換して、新築の状態と同じように使用できるようにするのが目的です。

改修工事や修繕工事と似たものに、改良工事があります。改良工事は、建物の不具合を整備するという目的ではなく、新たな付加価値のみをプラスして建物のグレードを上げる工事です。

つまり、修繕工事と改良工事を足したものが、改修工事ということになります。改修と似た言葉に「改善」があります。一般的には、「改めて善くする」という意味で広く使われていますが、工事の種類に関わるようなことに使われることはないようです。

改修工事の種類とは

改修工事の種類は、屋根・外壁改修工事、塗床改修工事、その他の改修工事の3つに分けることができます。それぞれの概要を紹介します。

外壁・屋根の改修工事

外壁や屋根は、常に紫外線や風雨、ホコリや汚れなどにさらされています。建物各部の中でも劣化や損傷が進行しやすい場所です。

外壁や屋根にき裂や剥がれがあると、雨漏りが起き、異物が侵入します。それが長期に及ぶと建物の部材が腐食したり錆びついたりして、構造体そのものの異常の原因となります。

外壁・屋根の改修工事では単なる部材の交換ではなく、屋根の葺き替えや防水工事、遮熱や断熱のための工事、太陽光パネルの設置なども検討されます。

塗床の改修工事

倉庫や工場の床は、重量物を積んだ荷役車両や多くの従業員が通行し劣化の進行は早いです。

塗床とは、下地コンクリートを保護し美装性を上げる役割を果たす床材のことです。塗床工事によって、床面の耐久性や耐水性を維持すると同時に床面の美観が向上します。また、接触事故を注意喚起させるペイントを施したり、滑りやすい区画に転倒防止のすべり止めを付加したりすることも塗床の改修工事の重要な仕事です。

その他の改修工事

その他の改修工事では、排水・空調設備や消火設備、舗装などの工事が代表的です。

排水・空調設備改修工事は、劣化や損傷個所の清掃・修繕・取替の工事の際に、材料の格上げや新たな工法などにより設備の性能を向上させます。

消火設備改修工事は、各種消火設備、連結送水管の劣化部分の取り換えに合わせて、配管などの材質を格上げして機能向上を行います。舗装改修工事は、舗装材料のデザイン性や耐久性をアップしたり、バリアフリー化を取り入れたりすることで機能性や利便性の向上を目指すのが特徴です。

改修工事をするメリットとは

修繕工事と改良工事をプラスした改修工事には、施工することによってどのようなメリットがあるのかを紹介します。

建物の価値を向上させる

社屋や倉庫、工場などには資産としての価値があります。ただどんな建物もさまざまな外的要因により劣化や損傷が進んでしまいます。

劣化や損傷を放置していると外観が見劣りしていくだけでなく、機能も低下します。そうすると資産価値は目減りする一方です。

しかし改修工事をすれば見栄えや機能を維持できるだけでなく、さらなる付加価値をプラスこともできるので資産価値の維持や向上を目指すことができます。

企業イメージを向上できる

企業が所有する建物には、企業のイメージを実体化しているという側面があり内外装を問わず注目を集めるものです。

定期的にメンテナンスされ補修もされている建物と、長年放置して荒れ放題の建物では、どちらが良いイメージをもたれるかは言うまでもないでしょう。

さらに一定期間で改修工事によるグレードアップがなされている企業は、抱かれるイメージは格段に向上します。

職場環境の向上が期待できる

社屋や倉庫、工場ではたくさんの従業員が働いていますから、建物が劣化して雨漏りや異物の侵入があるようでは困ります。従業員の働く意欲は低下し、作業効率も落ちてしまうというものです。さらに劣化が進んで、建材が落下してきたり床材が歪んだりしては、労働災害にもなりかねません。安全で働きやすい職場環境を整備するためにも、適切な改修工事は欠かすことができません。