theo-construction

COLUMN

コラム

【オフサイト建設】で建設工事はどう変わる?その概要とメリット・デメリットを紹介

オフサイト建設 施工管理

オフサイト建設のオフサイトとは「現場から離れた場所」を意味しています。逆に現場はオンサイトと呼ばれています。

つまり現場から離れた場所から建設工事に関わる計画、製造、加工、組立などを行うのがオフサイト建設です。

オフサイトで加工・成型した材料を現場に搬入して組み立てるということ自体は新しいことではありません。

しかしそれが今何故、オフサイト建設として建設業界の大きなトレンドになっているのかを紹介します。

オフサイト建設とは何か

オフサイト建設の概要について、「プレハブ工法」「プレキャスト」「システム建築」「モジュール建築」という4つのキーワードから紹介します。

プレハブ工法

プレハブ工法は、工場で部材を製造して、建築現場で組み立てる工法です。

プレハブ工法のプレハブは「前もって製作された」という意味で、プレファブリケーテッド(Prefabricated)から生まれた造語です。

部材や組立方法から、鉄骨系、木質系、コンクリート系、ユニット系の4種類に分類されています。オフサイト建設を「次世代プレハブ工法」と呼ぶ人もいます。

オフサイト建設では、建築部材だけでなく建築物の計画や設計なども含まれ、効率的な建築工事を支援するために必要なすべての要素のオフサイト化が目的です。

プレキャスト

プレキャストは「成形済みの」という意味があります。プレキャストコンクリートというのはよく耳にするでしょう。

粘性のある液状のコンクリートの原形を、工場でコンクリート板に成形して現場に搬入し、現場で床や壁、屋根などに造形するのがプレキャストコンクリートです。

オフサイト建設では、このプレキャストをより計画的に、業務の効率化の一環として取り入れます。コンクリートの成形だけでなく、工場で製造できるものはすべて対象として、標準化し大量生産することでコスト削減を目指すのです。

システム建築

システム建築とは、建築部材を徹底的に標準化しシステム化して、建築物を設計・製作・施工します。システム化することで、在来工法よりも選択の自由度は下がりますが、低価格で短納期での建築が可能です。

オフサイト建設でも、部材の標準化や施工のシステム化は重要な要素ですが、さらにオフサイトで工事全体の管理を目指すという点に違いがあります。

さまざまなソフトウェアを活用し、遠隔拠点からクラウドシステム上で、工事の業務管理を行います。これによって、複数の現場を同時に管理することも可能です。

モジュール建築

オフサイト建設やモジュール建築は、高度に都市化した狭い場所で、大型プロジェクトを施工するための手法として考えられたとされています。

モジュール建築では、建設現場で基礎工事から順次進めていくという固定観念に縛られません。工場で建築物の主要部分を製造し、単位ユニットとして現場に運搬して設置します。

現場で材料の保管をする必要がなく、現場作業者の数も組立スペースも最小限で済みます。これらによって狭所現場での諸問題が解消可能になるのです。

これらのことからモジュール建築は、オフサイト建設を構成するシステムの一つであると捉えることができるでしょう。

オフサイト建設と現場建設

オフサイト建設 施工管理
オフサイト建設 施工管理

オフサイト建設は、建設工事を効率化し、生産性を上げるための大きな可能性を持っています。

たとえば従来からある現場建設では、一般的に以下のフローで施工されてきました。そして工事を進める過程で、現場ではさまざまな加工や組立が行われてきました。

杭工事→基礎工事→地下躯体工事→地上躯体工事→外装工事→内装工事→設備工事→外構工事

オフサイト建設では上記フローに縛られることなく、工場での製品化やユニット化で、現場での工程短縮と現地工数の最小化を目指します。

また現在では、先進的なデジタル技術を導入して、これまで現場作業所ごとに行われてきた工事管理のオフサイト化にまで及ぶようになっています。

参照

https://www.jstage.jst.go.jp/article/aija/85/769/85_657/_pd

オフサイト建設のメリット・デメリット

ここでは、今後の建設工事の効率化と生産性の向上、コスト削減にとって大きな可能性をもつ、オフサイト建設のメリット・デメリットについて紹介します。

オフサイト建設のメリット

以下にオフサイト建設のメリットをまとめました。

・品質の標準化

・工期の短縮

・コストの削減

・作業者の安全性

・現場の省スペース

・天候の影響を受けにくい

工場生産の比率が高まるため、個々の職人の能力に左右されることなく、一定の水準を常に確保できます。また、たとえば現場での基礎工事と並行して上部建築物の施工ができるため工期の短縮が可能です。

工場生産やユニット化により、生産性の向上・サプライチェーンの最適化・廃棄物の軽減などが実践されコスト削減が可能です。

工期短縮や施工性の高い工場での作業が増えるため、現場での作業者の安全性は高まります。

オフサイト建設のデメリット

次にオフサイト建設のデメリットについてまとめました。

・事前の入念な計画が必要になる

・建築資材の管理が煩雑になる

・現場での接合作業が重要になる

オフサイトに移行後の計画立案や資材管理は煩雑になると考えられます。

いくつもの建築資材が現場外の複数の工場で同時に製造されますし、パーツの製造状況や配送状況、納入されたパーツの管理も必要になるからです。

ただ、製造計画・配送・品質管理・施工を管理するソフトウェアがすでに登場しており、今後の導入事例の増加とともにさらにブラッシュアップされ活用しやすくなっていくでしょう。

まとめ

ここまで、今、大きな注目を集めているオフサイト建設について紹介しました。

まずオフサイト建設を関連する4つのキーワード、プレハブ工法、プレキャスト、システム建築、モジュール建築から説明しました。

次にオフサイト建設と現場建設を比較し今後の可能性についても触れ、最後にメリット・デメリットを簡潔に紹介しています。

就業人口の減少、熟練工の高齢化、建設業の生産性の向上などを考えるとき、オフサイト建設の今後の動向に注目せざるを得ません。

関連記事一覧

関連求人一覧

ご登録・お問い合わせはこちら

050-5482-3847

受付時間 9:00〜18:00