COLUMN
コラム日本の一次エネルギーの自給率は2019年に12.1%となっており、OECDの36カ国中2番目に低い水準です。2010年の時点では20.2%でしたが、2011年の東日本大震災直後に6%にまで低下しました。
この一次エネルギーの自給率低下の要因の一つに、原子力発電の稼働率が大幅に下がったことが挙げられます。
この記事では、現在のわが国のエネルギー事情と、エネルギーの安定的な供給に欠かすことができない原子力政策について紹介します。
あわせて原子力分野における人材派遣の現状についても紹介しますのでぜひ参考にしてください。
私たちの生活を支えているエネルギーは、どのような現状にあり、今後どのような展望となっているのかを3つのポイントから紹介します。
日本のエネルギー自給率は、OECDの中で35番目ですが、国別の電力消費量は、世界で4番目の高さとなっています。
このことからも日本は、生活を支えるエネルギーを輸入に頼っている国であることがわかります。エネルギーを輸入に依存しているため、国際情勢や価格変動の影響を直接的に受けてしまいます。
特に一次エネルギー(化石燃料)供給地域での紛争や政情不安が多いことは記憶にあるでしょう。
化石燃料に大きく依存しているわが国は、CO2抑制に向けた対策を国際社会から強く求められています。いわゆる脱炭素化を強化しなければならないのが現状です。
しかし原子力発電の稼働率の低下で火力発電の比率が高まっているため、逆に化石燃料比率は上昇しています。
また再生エネルギー適地が偏在しているため、送る手段としての電力システムの整備が不十分な状態です。
わが国は2020年、2050年にカーボンニュートラル(温室効果ガス排出実質ゼロ)を目指すと宣言しています。
そのためのエネルギー構成には諸案ありますが、中核となるのは再生可能エネルギーです。
再生可能エネルギーとは、太陽光、風力、バイオマス、水力、地熱などを利用した発電のことです。
その他の対策としては、水素・アンモニアの利用、CCUS(CO2を分離・貯留)+化石火力による技術、原子力発電があります。
自然相手で不確実性の高い再生可能エネルギーが化石燃料の代替となるまでには、まだ多くの課題を克服する必要があるとされています。
原子力発電を一定量確保するというのが、現実的な道筋であるといえるでしょう。
日本の原子力政策の課題と対応について5つのポイントから紹介します。
原子力発電の利用で最大の懸念材料は安全性の確保です。権限のある独立した組織による安全基準を厳格に運用することが重要です。
産業界による安全性向上のための技術開発や導入も必要となっています。
原子力発電所の立地地域の理解と協力も欠かせません。避難計画の具体化や充実化、地域と一体化した訓練などともに、原子力の必要性に対する理解活動も必要です。
また持続的な立地地域の発展に向けた取組みも重要事項となっています。
放射性廃棄物の処理や使用済み燃料の再処理、原子力施設の廃止処置などをバックエンドといいます。(核燃料製造や原子力発電の運転をフロントエンドといいます)
このバックエンドシステムの確立も世論を巻き込んで議論されるべき段階にきています。
原子力発電は初期投資が大きく、回収のためには長期間を要するという特徴があります。電力の自由化が推進され競争が激しさを増すなか、どのように事業化するかも課題となります。
設備利用率の向上や安全性が確認された原子力発電所の長期利用が対応の方向性とされています。
海外の積極的な動きがある中、わが国では、原子力人材の減少や原子力事業から撤退する企業が生じています。安全利用のための人材育成や技術・技能の伝承が急務です。
そして、日本独自の高い産業基盤を維持・強化して、革新的原子力技術の開発という原子力イノベーションを目指さなければならない時期とされています。
原子力分野での派遣の求人は、原子力プラントはもちろん、システム構築から原子力発電所内の点検業務まで幅広いです。時給は仕事内容や職務の立場によって違いますが高収入のものが多いです。
未経験者から即戦力のベテランまで、求人の対象はさまざまです。
特に有資格者で実務経験がある方は、安定的に稼ぐことが可能となっています。以下に派遣の求人の多い資格取得者をまとめました。
仕事に必要な原子力についての知識は、就業してからでも十分に身につけることができるはずです。
多くの施工管理技士取得者の方が、これまで培ってきた施工管理の経験を生かして活躍しています。
原子力分野は、私たちの生活を支えるエネルギーに関わる重要な仕事であり、官民一体となって取り組むことが必要なやりがいのある仕事です。
ただ一般にはまだ馴染みが薄いせいか、人材の需要に供給が追い付いていない印象です。
それだけに高収入で迎える企業が多く、研修制度があったり、仕事のブランクOKだったりするケースも多くなっています。
求人情報で詳細を確認してみる価値は大いにあるでしょう。
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